オーラは三原色に従うか?

大槻教授が、オーラの泉を否定。オーラの泉がトンデモであるのは確かだが、この人の反論も例によってトンデモ。
http://www.j-cast.com/2008/02/10016502.html

また、オーラの色が見えるといい、「あなたには、情熱的な赤と知性的な青が同時に見える」とおっしゃいます。しかし、これは物理学の3原色の理論を無視しています。赤と青が交じった光を同時に見ると別の色に見えるんです。もし、分離した色が見えるのなら、江原さんにはカラーテレビは見えないはずです。だから、3原色のオーラ占いはデタラメなんですよ。

仮にオーラが存在するとして、それが物理的な光であるとは誰も言ってないんだろうから、物理的な光と同じ法則に従う必然性はない。赤と青のオーラが同時に見えて、カラーテレビが普通に見えたとしても別に矛盾はない。


また、そもそも、色を混ぜると違う色に見えるのは、人間の目の都合に過ぎない。
光の色というのは波長であり、赤い光と青い光が一緒に混ざったからといって、緑の波長の光が生まれるわけではない。緑に見えるのは、あくまで人間の目の都合なのだ。
音にたとえると分かりやすい。ドとソが一緒に響くと、ミに聞こえる、というのが人間の目なのだ。
だから、「物理学の三原色の理論」というのは、細かいことを言うと間違い。


なので「オーラ」を感じる「霊感覚」みたいなものがもしあったとして、むしろ、上記の理由から、赤と青が同時に見えることを、オーラが存在する傍証とすることも可能だろう。


このへんの、「もしオーラがあったとしたら……」議論に踏み込んでしまうと、SF的な屁理屈は幾らでもつけられてしまう。それらはSFとしては面白いかもしれないが、科学的な議論としては意味がない。最初のとっかかりの「もしオーラがあったとしたら……」のところが、そもそも間違ってるからだ。


オーラの存在を科学的に否定するには「君らのやってることは別にオーラ感知能力がなくてもできるだろ」という点だけ証明すればいい。「果たして超能力が存在しうるか?」という議論ほど泥沼なものはない。


というわけで、大槻教授のコレは、科学的に間違ってる上に、科学に対する偏見を植え付けかねない内容なんで困る。