気持ち悪さの原因

いや、そりゃ悲しい現状だよ。なんとか改善できんものかね。
でも日本人『たち』が一方的に責められていませんかね?
(中略)
日本の罵倒をけなすのと同じくらいの非難を韓国にも。
韓国のレイシストたちを罵倒すべきなのだ。

http://blog.livedoor.jp/oospexxx/archives/51060824.html


一見、一理あるように見えるが、実際のところはおかしい。
どこがおかしいのか。


この記事の根底にあるのは、「日本側ばかり責められるのは不公平だ」という感覚だ。
しかし、責められてるのは、日本人の中で差別を行った人だ。「日本人全体」ではない。

グループ分け

グループ分けしてみよう。


1.日本人の中で差別に反対な人
2.日本人の中で、人種差別をする人
3.韓国人の中で差別に反対な人
4.韓国人の中で、人種差別をする人


ま、こんな風に簡単に分けられるものではないが、便宜上、4つに分けてみた。
オースペ氏みたいに考える人は、「1と2」vs「3と4」というチームに分けている。
日本チームvs韓国チームというわけだ。そして、日本チームの欠点ばかり批判するのは卑怯だ、ということになる。


オースペ氏にとっては、2を非難するか4を非難するかは、「自分のチームの失点」と「相手のチームの失点」の分かれ目なので、重大な問題だ。


で、このチーム分けが間違っているのだ。
俺なら、「1と3」vs「2と4」。すなわち、差別反対チームと、差別チームと分ける。
2も4も、「差別チーム」の失点であることには変わらない。

国を愛すること

もちろん、自国の人間が行ったことに対して、同じ国の人間として感じることはある。
それに対する批判を、自分に全く関係ない個人へのものではなく、自分と、自分の住む国の問題として受け止めるのは大切なことだ。


でも、その気持ちをすり替えて、「俺の国ばかり批判されるのは不公平だ」というのは、これは、かなりみっともない。
自分が自分の国を恥ずかしく思う気持ちを、相手のせいにしたところで、何の解決にもならないからだ。

どろどろとした両国の不満に、引きつった作り笑顔でフタをして、反省に反省を重ねたところでどろどろした感情は消えやしない
それはいつか噴出する。より強い憤懣を伴って。
いつか必ず、必ず噴出する。

どろどろした感情は、簡単には消せないものだ。
それを救うものがあるとしたら、安易に相手にどろどろをぶつけることではなくて、自分を省みる心ではないかと思うのだ。


その「どろどろ」というのは、案外、しょうもない、小学生レベルの開き直りかもしれないのだから。