評論は嫌われる

http://d.hatena.ne.jp/sinden/20071208/1197094201

文学にせよ、ミステリにせよ、ライトノベルにせよ、読者の大半に評論が受け入れられているとは思えません。

同感。
そもそも評論とは何かという話。
読者のためにある文章……つまり特定の本を読む楽しさを増すための文章であれば、それは感想やガイドと言われる。


逆を言えば、評論というのは、必ずしも、本を楽しむことを目的としない。その本の読者のためにあるわけではない。評論は評論のために存在するのだ。
意地悪な言い方をするなら、本をダシにして語るのが評論である、と、言ってもいい。



つまり、評論が好きな人は、必ずしも読者ではない。進化した読者が評論を求めるわけでもない。
対象の本を読むのが好きな人、評論を読むのが好きな人、両方好きな人がいる、というだけだ。
読者でないのに評論が好きな人はいるか? と言われるだろうが、存在する。
わかりやすい話をするなら「恋空」を読まずに現象や又聞きとして評論してる人や、その記事を楽しむ人は結構多い。読まずに評論することの是非はさておき、そうした記事が面白いことがあるのも確かだ。


評論が悪いわけじゃないし有益な評論もあるけれど、評論が出ることをもって成熟とか、でないことをもって、未熟とかする議論は、実は間違っている。


もちろん、ジャンルが煮詰まってくると評論したくなる人が増えるのは確かなので、定着度合いを表すには使えるだろうけど、評論がないこと自体に劣等感を感じる必要は、ない。